国際通貨基金(IMF)は6日、最新の世界経済見通しを発表した。今年の世界全体の成長率は3・1%として、前回7月の見通しから0・2%幅引き下げた。中国経済の減速や資源安で、新興国の成長が鈍化していることなどが要因だ。
中国経済の今年の成長見通しは、前年(7・3%)より低い6・8%で据え置いた。IMFは「中国経済の鈍化は予想通り」とする一方、「国境を越える影響は予想以上に大きい」として、中国向けの輸出に頼る国などへの影響を指摘した。
新興国全体の今年の成長率は前回予想より低い4・0%で、5年連続の減速となる見通し。中国に鉄鉱石や大豆などの資源を輸出するブラジルの今年の成長はマイナス3・0%と、前回予想から1・5%幅の大幅な下方修正となった。
先進国全体の今年の見通しは、2・0%に引き下げた。ただ、原油安や金融緩和などを背景に、前年(1・8%)よりは改善する見込みだ。日本は前年 (0・1%減)からはプラスに転じるものの、輸出の落ち込みなどから、今年の見通しは0・6%に引き下げた。(アトランタ=五十嵐大介)