百貨店運営の中合(福島市)は26日、同市の「中合福島店」を8月末で閉店すると発表した。入居するビルがJR福島駅東口の再開発に伴い2022年度から解体予定で、賃貸借契約の満了に合わせて47年の営業に幕を下ろす。会社も清算する方向。
黒崎浩一社長が市内で記者会見した。賃貸借契約が切れることが閉店の理由と繰り返した一方、「昨年下期の売り上げは消費税増税や台風19号の影響でかつてないほど落ち込んだ」と厳しい経営環境に触れた。
新型コロナウイルス感染拡大は「(閉店判断に)直接の影響はない」と説明した。昨年8月ごろに閉店を検討し始め、新型コロナが社会問題化する前に方向性が決まったという。
福島店では正社員45人とパート47人、テナント151店の従業員約350人が働いている。中合はイオングループ傘下で、同グループ企業への再就職をあっせんするほか、地元企業に支援を求める。
市は福島駅東口に商業施設やホテル、ホールを備えた再開発ビル3棟の建設を計画し、26年度の開館を目指す。黒崎社長は「再開発ビルに再出店する計画はない」と明言した。
中合は1874年に呉服店として開業し、1938年に百貨店業へ参入。73年に現在地に移り、一時は八戸市や山形市にも系列店があった。13年開店の中合サテライトショップ会津(会津若松市)は7月末に閉店する。