【AFP=時事】中国の放送規制当局は11日、英BBCワールドニュース(BBC World News)の報道内容に国内報道指針の「深刻な違反」があったとして、同局の放送を停止したと発表した。
国家ラジオテレビ総局(NRTA)は、BBCワールドニュースの中国に関する報道で、ニュースは「事実に即し公正であるべき」で「中国の国益を害さない」とする放送指針の「深刻な違反」があったと発表。「BBCに中国での放送継続を認めず、BBCによる次年の放送申請も受理しない」と表明した。 © GREG BAKER / AFP 中国北西部・新疆ウイグル自治区で、主にイスラム教徒の少数民族が収容されている再教育施設とみられる施設(2019年5月31日撮影)。
BBCは今月3日、中国国内の収容所でウイグル人女性らが受けたとされる拷問や性的暴行について報道。また英国の放送規制当局は今月、中国国営英語放送CGTNの所有構造が英国法に違反するとして、CGTNの放送免許を取り消していた。
BBCは中国の決定に遺憾の意を表明。同社の広報担当者は「BBCは世界で最も信頼されている国際ニュース放送局で、世界各地からのニュースを公平・公正かつ偏向なく報じている」と主張した。
ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)英外相は、「容認できないメディアの自由の剥奪」だと批判。「中国は、メディアとインターネットの自由に対し、世界で最も厳格な水準の規制を設けている。今回の措置は、世界での中国の評判を損なうことにしかならない」と表明した。 © GREG BAKER / AFP 中国北西部・新疆ウイグル自治区で、主にイスラム教徒の少数民族が収容されている再教育施設とみられる施設(2019年6月2日撮影)。
米国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官も、「われわれは中国のBBCワールドニュース放送停止の決定を断固非難する」と表明。「国民に対し強権支配を行う中国などの国々に対し、インターネットへの完全なアクセスと報道の自由を認めることを求める」とした。
【翻訳編集】AFPBB News