中国が日本に対して「半導体製造装置の輸出を制限するなら経済的な報復措置を取る」と脅迫している

アメリカは中国に対して半導体や半導体製造装置の輸出を制限しており、日本を含む複数の国にも中国への半導体関連製品の輸出を制限するように求めています。そんな中、中国が日本に対して「半導体関連製品の輸出制限を続ければ、経済的な報復措置を取る」と伝えていたことが報じられました。

China Warns Japan of Retaliation for Possible New Chip Curbs – Bloomberg

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アメリカは中国の半導体開発やAI研究を軍事上の脅威と認識しており、AI研究に用いられる高性能半導体や半導体の製造に不可欠な半導体製造装置などの輸出を厳しく制限しています。この制限はアメリカ国内にとどまらず、2024年4月にはアメリカ政府が日本や韓国、オランダといった国に対して中国への技術サポートの停止を求めていることが報じられました。

アメリカ政府が日本・韓国・オランダに対し中国工場への技術者のサービス停止を含め中国への輸出規制を強化するよう求めている – GIGAZINE

アメリカ政府が日本・韓国・オランダに対し中国工場への技術者のサービス停止を含め中国への輸出規制を強化するよう求めている© GIGAZINE 提供

さらに、2024年7月にはアメリカが日本とオランダに対して「先端の半導体製造技術に中国がアクセスできる状態を続けるようであれば、最も厳しい貿易制限を適用する」と通達したことが報じられています。

アメリカが中国への半導体技術規制をさらに強化する方針 – GIGAZINE

アメリカが中国への半導体技術規制をさらに強化する方針© GIGAZINE 提供

海外メディアのBloombergが匿名の関係者から得た情報によると、中国の高官が日本側と会合を開いて「日本が中国企業への半導体製造装置販売をさらに制限した場合、日本に対して厳しい経済的報復措置を取る」という立場を表明したとのこと。中国が検討している経済的報復措置の具体的な内容は不明ですが、「トヨタが日本政府の関係者に対して『自動車の生産に必要な重要鉱物の日本への輸出が遮断される可能性がある』と非公式に伝えている」という情報もあります。

なお、中国は2023年7月から半導体製造に必要なガリウムやゲルマニウムの輸出を制限しています。この輸出制限によって、ガリウムやゲルマニウムの価格が1年で約1.5倍に高騰したことが判明しており、半導体サプライチェーンに影響を与えることが懸念されています。

中国によるガリウムとゲルマニウムの輸出制限によって価格が1年で1.5倍に高騰 – GIGAZINE

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