中国の新型肺炎、イスラエルで「生物兵器の可能性」指摘される

新型コロナウイルスの感染者が6000名を超え、2002年から2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の患者数を超えた。発症者の大半が中国内ということもあり、海外メディアの報道はまだそれほど過熱したものではない。時系列で情報をまとめながら、分析を続けている感じだ。

 武漢から脱出するチャーター機の対応はアメリカや日本が早かった。日本のチャーター機では搭乗前に発症者はいなかったが、日本に到着後5名が病院へ搬送された。この報道を受け、一般空港へ到着予定だったアメリカのチャーター機は、到着先を米軍基地に変更している。

 フィリピンではウイルススクリーニング検査の技術が足りないため、日本から専門家が派遣されるという。

 また、中国ではすでに新型コロナウイルスの培養に成功し、世界保健機関(WHO)と情報を共有しているが、1月28日には、オーストラリアも培養に成功したという。これにより、ワクチンの早期開発につながる可能性がある。

 そんななか、アメリカ、オーストラリア、イスラエルなど複数の国のメディアが報じているのが、今回のウイルスが武漢にある研究所が発生源ではないかという疑惑である。

 武漢には最新鋭のウイルス研究所「武漢国家生物安全実験室」があり、SARSやエボラの菌を所有している。細菌やウイルスなどの微生物・病原体を取り扱う施設では最高ランクのBSL-4に対応した中国唯一の研究機関。今回の騒動の発端とされている動物市場からは30キロほどの距離だという。

 イギリスの科学雑誌『ネイチャー』ウェブ版(2017年2月22日)によると、中国は過去にSARSウイルスを何度か流出させているという。そのため、この施設も稼働前からリスクを警告されていた。

 また、イスラエルの『ビホールド イスラエル』(1月25日)によれば、バル=イラン大学の生物兵器の専門家は、この研究所を「おそらく生物兵器の研究に関与している」としたうえで、新型肺炎との関係を疑っている。

 この件に関して中国側からの発言はない(中国は細菌兵器の存在も否定している)。

 死者が100名を超え、いまだ特効薬のない現段階では、原因究明より拡大を抑えることの方が重要だ。だが、生物兵器との疑惑は、今後、再燃する可能性がある。

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