米トランプ政権は10日、中国への追加の高関税措置を検討してきた総額2千億ドル(約22兆円)分について対象項目を公表した。8月末以降に実施を判断するとし、さらなる圧力姿勢を鮮明にした。対象は農産物などを含む一般の消費財に幅広く及び、中国との報復の応酬に歯止めがかからなくなる危険も高まる。
米政権が中国の知的財産への侵害などを理由に6日に「第1弾」を発動した関税措置は、主にハイテク産品などが中心だった。今回追加で公表した高関税措置の対象は、農産物や魚介類、雑貨、衣類など6031項目に上り、10%の関税上乗せを検討する。
発動されれば、2017年の輸入額ベースでほぼ半分の中国からの輸入品が高関税の対象になる計算となる。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は10日の声明で、「トランプ政権は中国に不公正な貿易慣行を止め、市場を開き、真の市場競争に取り組むよう辛抱強く促してきたが、中国は行動を変えず、報復に訴えてきた。正当化の余地はない」と述べた。(ワシントン=青山直篤)