【ワシントン=柿内公輔】米調査会社ガートナーが10日発表した7~9月期の世界パソコン出荷調査によると、市場シェアで中国最大手レノボが15・7%を占め、米ヒューレット・パッカード(HP)を抜いて初めてトップに立った。
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レノボの出荷は前年同期比9・8%増の1376万台。2005年に米IBMからパソコン事業を買収し、その後もドイツの電子機器大手メディオンの買収やNECとの合弁会社設立など海外事業を拡大し、低価格を武器に急速にシェアを伸ばしていた。
一方、HPは16・4%減の1355万台。シェアは15・5%で、2006年終盤から守り続けた首位の座を明け渡した。パソコン部門が売上高の3割を占めるが利益率が悪化し、リストラに苦心している。
ただ市場ではレノボについて、「利益率を犠牲にしてシェアを拡大している」との声が聞かれるほか、今回の調査でもメーカー全体の出荷が8・3%減の8750万台に落ち込むなど、パソコン市場そのものの伸び悩みが指摘される。3位は米デルで、台湾のエイサーとエイスースが続いた。