中国伝統薬の「秘方」が流失・・・特許の99%以上が国外に

中国メディア・環球網は14日、伝統医学に用いられる植物から抽出された成分で抗マラリア薬のアーテミシニンを開発した中国人研究者・屠〓〓さんがノーベ ル医学・生理学賞を受賞したことに関連して「中薬(中国伝統薬)にかんする特許の99.7%が中国にない」とする中国中央電視台(CCTV)の報道を伝え た。(〓は口へんに「幼」)

記事は、屠さんのノーベル賞受賞が「中医薬に対する世界の見方を変える一助となるとともに、中医薬の現代化に有益な啓発を与え、中医薬の士気を高めた」 と説明。その一方で、「中医薬という宝庫の開発と保護について、どのような措置を取ったらいいか」という急を要する問題も突きつけたとした。

そのうえで、国家食品薬品監督管理総局が発表した昨年の薬品審査報告で、販売が認可された新薬149種類のうち中薬はわずか11種類と全体の7.38%に留まり、前年の12.7%を大きくした回ったことが明らかになったと紹介した。

また、世界の医薬市場において「中国生産の中薬は地位を確保していない」とし、世界の中薬市場において中国が特許権を有しているものはわずか0.3% で、日本と韓国の割合が計70%を超えているとする、日本の研究機関によるデータを示した。さらに、近年では中薬の「秘方」(秘伝の処方)が大量に流失 し、外国のみならず中国国内でも外国産の中薬が特許申請され、外国企業にとっての「お金のなる木」になっていると伝えた。

アーテミシニンの開発が果たして中薬研究の成果なのかどうかについては、中国国内で議論が起きている。中医薬界では大々的に中薬研究の成果であると宣伝 する一方、業界外からは「中医薬の成果ではなく、現代医薬研究の成果」との反論も飛び出した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

タイトルとURLをコピーしました