中国産が届かない?秋の味覚マツタケどこに

お手頃価格で人気の“中国産”マツタケが日本に届きにくくなっています。何が起きているのでしょうか? さらに、その影響で新しいマツタケ料理も生まれているんだそうです。      ◇ 秋の味覚の“王様”マツタケ。お手頃価格の中国産は根強い人気がありますが、今年は異変が起きています。 都内料理店「20キロオーダーしたんですが、納品されたのが3キロでした。今年のように、ここまで少ないのは珍しいですね」 私たちは中国・雲南省へ向かいました。ここは中国最大のキノコ市場です。 記者「ありました、これマツタケじゃないですか。マツタケが山盛りになっていますね。なかなかこんな光景見たことないですね」 値段を聞いてみると…。 キノコ市場店員「1.5キロで、日本円で6300円です」 日本で、1本数千円から数万円で販売されるような高品質のマツタケが、このひとやまでなんと6300円。 客「マツタケは去年より3~4割安いね」 実は今年、中国では雨の日が多くマツタケが豊作で、価格が下落するほどマツタケが余っていました。なぜ、このマツタケが日本に届かないのでしょうか? 出荷工場に行ってみると、日本に輸出される高品質のマツタケが箱詰めされていました。通常、日本へ輸出されるマツタケは独特の香りを失わないように、ほとんどが空輸されます。 しかし今年は、新型コロナウイルスの影響で、雲南省から日本への直行便がすべて運休に。 その結果、日本で出回る中国産マツタケが減る異例の事態となったのです。 キノコ市場店員「日本への輸出量は、去年よりも30%減りました」 その結果、中国では“ある変化”が。 満席のレストランでお客さんが注文していたのは…マツタケ料理です。たっぷりとマツタケが入ったマツタケ鍋。傘が開いたマツタケは香りが特に強く、鍋料理にぴったりです。 さらに、一般の家庭を訪ねると、大量のマツタケを使った家庭料理を作っていました。 実はこれまで、中国では一部の地域を除いて、マツタケを食べる文化はあまりありませんでした。しかし、今年は大量に余っているため、輸出業者が中国国内に向けて、必死でマツタケの食べ方をPRし、中国人の消費が急拡大しているのです。 そして取材中に何度も見かけたのが、この食べ方。マツタケをナイフで切って、なんと、カップ麺に入れています。日本人からすると、なんとも贅沢なラーメンですが…。 「マツタケのおいしさと、ラーメンの濃い味がマッチしているわ」 コロナの影響で日本への輸出が減少したことで、中国では、マツタケの食文化が広がりを見せています。

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