企業やブランド、有名人によるFacebook上の交流ページは「Facebookページ」と呼ばれ、「いいね!」を押すと、その企業やアーティストに関する情報がニュースフィードに表示される。25人以上が「いいね!」を押すと、公式ページとして認められ、Facebook上で独自のURLを与えられる。日本はもちろん、世界中の企業や団体、著名人が広告効果を期待して、Facebookページを持っている。
そんな中、興味深いニュースが報じられた。香港紙『爽報』(6月24日付)によると、Facebookページで「いいね!」を押すサクラ軍団の存在が明らかになったというのだ。彼らは「いいね兵団」と呼ばれ、タオバオ(中国最大のECサイト)で、1元(約16円)で10個「いいね!」を押す作業を請け負っていたという。もちろんFacebookの規約に違反する行為なので、発覚すれば当該Facebookページや関連アカウントは削除される。
同紙によれば、タオバオで「いいね!」を”販売”していたのは広東省・東莞市に住む19歳の学生で、Facebookが利用できない中国に住んでいるにもかかわらず、VPN等で壁を超えてFacebookにアクセスしているという。この学生は数千個の異なるIPアドレスを操ることができると言い、実態のない「キョンシー戸口(架空アカウント)」をいくつも作成した上、依頼主のFacebookページに大量の「いいね!」を押す作業を請け負っていた。
この学生はIT系の専門学校生で、半年前からこのビジネスを始めたという。このビジネスによる月の収入は良い時で4000元(約6万4000円)と言うから、学生のアルバイトとしてはかなり割がいいだろう。ちなみに顧客は中国、台湾、香港、カナダ、アメリカ、マレーシア、ヨーロッパと幅広く、香港とヨーロッパの企業が最も上客だという。更にこの学生が暴露したところによると、台湾のオンラインゲーム運営企業「奇米娯樂平台」も彼から5000個の「いいね!」を購入したという。
同紙によると、Facebookページは「いいね!」を押した人の友だちにも表示され、拡散していくので、企業にとっては利用価値が高いという。欧米でもこうした業者は存在するが、「いいね!」ひとつにつき1ドル(約98円)が相場とのこと。低価格を売りに、中国のこうしたサクラ業者は今後、どんどん増えていくのかもしれない。 <文/日刊SPA!取材班 参照元/爽報>