中国の景気が、減速しつつある。
中国国家統計局が18日発表した2011年7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価の変動を除いた実質で前年同期に比べて9・1%増と、3期連続で前期を下回った。
欧州の財政・金融危機に伴って、欧米への輸出の不振などが響いた。
しかし、インフレ圧力もなお強く、中国政府は金融緩和などの大胆な対策はとりにくい状態だ。
北京大学国家発展研究院などは9月、製造業が集まる広東省の6市の中小企業の経営状況を調査したところ、7割超の企業が今後半年、利益が全くないか小幅の赤字に陥る見通しだった。
民間の中小企業が多いことで知られる浙江省温州市では、金融引き締めの影響で銀行からの融資が途絶えたため、闇金業者が横行し、年率100%超の利子をとる業者もでているという。国営新華社通信によると、最近、80社以上の経営者が資金繰りに行き詰まって逃亡するなどした。
中国経済を支えてきた輸出も変調が目立つ。
9月は輸出が前年同月比17・1%増と8月(24・5%増)から減速した。欧州連合(EU)向けの輸出が、9月は前年同月比9・8%増と8月(22・3%増)から大幅に縮小したことが響いた。EU向け輸出は、全体の約2割を占め、輸出先として最大だ。