仙台市は来年4月の施行を目指す「市中小企業活性化条例」策定の参考にするため、市内の企業1600社を対象にアンケートを実施した。活性化のための市の支援施策を「活用したことはない」と答えた企業が7割を占め、市の取り組みが生かされていない実態が浮き彫りになった。
アンケートは7~9月に実施。設問は主に複数回答で、837社(52.3%)から回答を得た。
企業が活用した市の施策はグラフの通り。69.8%が「活用したことはない」を選んだ。理由の内訳は、「施策があることを知らなかった」が27.5%、「どの施策を使えるか分からない」は25.5%など。「施策を必要としていない」とする企業も23.0%あった。
活用した施策の中では、最も多い「助成金」でも14.3%にとどまり、他は0.5~9.2%と低調だった。
策定中の中小企業活性化条例に取り入れてほしい施策も尋ねた。「人材の育成・確保の支援」が38.5%に達した。「地元企業への優先発注の促進」27.6%、「販路拡大の支援」25.3%と続いた。
回答した企業の一部には別途、聞き取り調査も実施した。
「施策の内容やメリットが分からない」「書類や窓口の手続きが煩雑」など課題を指摘する意見があった一方、「国の助成金より活用しやすかった」「創業期に親身に話を聞いてもらった」と評価の声もあった。
経済企画課の大上喜裕課長は「結果は正直に言ってショックだ。これまでも企業に対しては機会を捉えて施策の説明をしていたが、条例の策定と並行して周知などの在り方を考えていかなければならない」と話した。