中日新聞社(名古屋市中区)が名古屋国税局の税務調査を受け、今年3月までの4年間で約1億700万円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。経理ミスなどを合わせた申告漏れの総額は約1億4300万円で、重加算税と過少申告加算税を含む追徴税額は約7200万円。同社は既に修正申告したという。
同社によると、同社は首都圏での新聞の販売促進業務をセールス業者に委託しているが、実際は販促業務をしていないことを知りながら、セールス業者に費用を支払い、経費として計上していた。また、同社の記者が飲食代の経費請求書に虚偽の取材先を記したり、人数を水増ししたりしていたという。
このほか、中日新聞社健康保険組合が運営する中日病院(同)に支払っていたコンサルタント料について、同国税局は寄付金と判断し、約3100万円の申告漏れを指摘した。
同社経営企画室の武藤正敏室次長は「一部に見解の相違はあったが、指摘を真摯(しんし)に受け止め、適正な経理処理、税務申告に努めます」としている。