中朝からの妨害電波 成田の着陸機、遠洋漁業船に悪影響

中国や北朝鮮からの妨害電波をめぐっては、成田空港を離着陸する航空無線の混信を狙ったとみられるものが複数回確認されている。日本政府は中国に対しては直接、排除要請しているほか、国交のない北に対しては国連の国際電気通信連合(ITU)に通報するなどの対応を取っている。

中国からの妨害電波は、平成28年5月に成田空港の管制塔と航空機が交信する無線に対して発射されたものなど、航空機や船舶の無線混信を狙ったものが多い。無線と同じ周波数の電波が発射されたが、成田空港は、他の周波数に切り替えて航空機と通信し、実害を免れているという。

北からも昨年10月、成田空港の航空無線に対し同様の妨害電波が確認された。また、両国からの妨害電波は、遠洋漁業の船舶無線に対しても混信などの悪影響を及ぼす恐れがある。

一方、新監視システムで協力するベトナム、フィリピン、インドネシアの3カ国では、これまで南シナ海を航行する船舶や航空機が妨害電波を受けても、「中国が発射源」と特定することは困難だった。しかし、新システム導入で詳細な発射位置の把握が可能になる。(大坪玲央)

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