中間質量ブラックホールが存在=銀河系内、オメガ星団中心に―ハッブル撮影画像解析・国際チーム

地球からケンタウルス座の方向に約1万8000光年離れた所にあるオメガ星団の中心には、質量が太陽の少なくとも8200倍あるブラックホールが存在する確証を得たと、ドイツ・マックスプランク研究所や米ユタ大などの国際研究チームが10日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 ブラックホールは質量の違いから3種類に大別され、オメガ星団にあるのは「中間質量ブラックホール」に当たる。巨星が超新星爆発を起こした後にできる恒星質量ブラックホールと、銀河の中心にある大質量ブラックホールの間に分類され、候補は幾つか発見されているが、確証を得られていなかった。

 研究チームがハッブル宇宙望遠鏡で過去20年間に撮影された約500枚のオメガ星団の画像を解析したところ、中心付近にある7個の星の動きが異常に速く、ブラックホールの強い重力の影響を受けていることが分かった。オメガ星団はかつては小さな銀河だったが、銀河系(天の川銀河)にのみ込まれた際、中心部だけ星団として残ったと考えられている。

 銀河系の中心にある大質量ブラックホールは、太陽の約400万倍と質量が桁違いに大きく、ブラックホールが合体を繰り返して成長した可能性がある。一方、中間質量の場合は形成メカニズムがはっきりしていない。

 東京大などの研究チームは5月、スーパーコンピューターでシミュレーションを行った結果、オメガ星団のような球状星団内で星が次々に合体し、質量が非常に大きくなってから中間質量ブラックホールに変わることがあり得ると発表している。 

[時事通信社]

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