中高生ら外来種アフリカツメガエル防除 和歌山

吉野熊野国立公園に指定されている和歌山県田辺市新庄町の鳥ノ巣半島で29日、半島内のため池に生息している外来種、アフリカツメガエルの防除活動が行われた。これまで地元の中高生らが中心に進めてきた取り組みで、2年がかりで半島内のアフリカツメガエルの根絶を図る。

 アフリカツメガエルはアフリカ中南部原産で、体長約5~13センチ。肉食で口に入るものなら何でも食べてしまうという。国内ではペットや実験用動物などとして流通。国の総合対策外来種に指定されている。

 県内で唯一、アフリカツメガエルが確認されている鳥ノ巣半島では平成19年に初めて見つかり、ヤゴやマツモムシなど在来種の水生昆虫などを捕食しているという。発見以降、県立田辺高校と田辺中学校の生物部生徒らが駆除に取り組み、これまでに約7千匹を駆除している。

 外来種の根絶に向けた動きは県内でも進んでおり、県では今年度から、外来種の放出禁止や防除などについてまとめた「県外来生物条例」を施行。鳥ノ巣半島では41カ所あるため池のうち32カ所でアフリカツメガエルが生息しているといい、田辺高や田辺中、県などは今後2年をかけて32カ所のため池で防除活動を行っていく。

 最初の活動となったこの日は、生徒や県職員ら約60人が参加。事前に水が抜かれたため池(約370平方メートル)内でアフリカツメガエルなどの外来種を捕獲し、在来種のカエルやウナギなどを保護。その後、アフリカツメガエルが地中から水面に上がってこれないよう、池全体を覆うネットを池底に張った。

 田辺高2年で生物部の部長、新谷剛(こう)一(いち)朗(ろう)さん(17)は「和歌山には小さい頃から親しんできたきれいな自然環境がたくさんある。外来種を駆除して、自然を残していきたい」。県自然環境室の阪口公章室長は「全ての外来種が悪いわけではないが、安易な気持ちで放してしまうと、自然保護のためにこれだけ大変な作業をしないといけないということを知ってもらいたい」と話した。

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