中3男子「喫煙は害がある」が約9割。健康志向が定着!?

未成年者の喫煙や飲酒の防止は、昔から生徒指導の大きな課題の一つ。ところが、将来、たばこを吸ったり、酒を飲んだりすることはないと考えている子どもたちが増えていることが、2012年度(平成24年度)文部科学省の薬物に関する意識調査でわかった。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に話を伺った。
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この調査は、全国の小学5年生から高校3年生までの児童・生徒を対象に行われました。同様の調査は、2000(平成12)年と2006(同18)年にも実施されており、比較すると興味深い結果が出ました。
将来、「酒を飲むと思う」と回答した者は、中3男子で2000(平成12)年は68.3%、06(同18)年は62.4%、12(同24)年は60.0%。高3男子も各79.0%、74.7%、73.5%と、ほとんどの学年で男女とも減少しています。将来「たばこを吸うと思う」と回答した者も、中3男子で各21.7%、9.2%、6.3%、高3男子も各30.2%、17.2%、9.0%と急減しています。
喫煙は「大いに害がある」と回答した者は、中3男子で各86.3%、91.1%、92.1%で、たばこや酒は健康に悪いという知識が広がったことが大きな理由のようです。同時に、たばこや酒のイメージの変化も見逃せません。たとえば、たばこを吸う人を「かっこいいと思う」という者は、中3女子で各6.9%、3.4%、2.6%、高3男子でも各8.1%、6.1%、4.5%と確実に減っています。飲酒や喫煙は格好よいものではないという価値観が、子どもたちの間に広がっているようです。
また、大麻など薬物の危険性や違法性について学校で学んだことがあるという者は、中3以上のすべての学年で9割以上に上っています。さらに、高3男子で薬物を「絶対に使うべきではない」と回答したのは、学習経験のある者で86.6%だったの対して、学習経験のない者では53.9%でした。学校における薬物教育の重要性が明らかになりました。

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