丸森で健康調査実施へ 宮城県、不安解消に向け方針

宮城県は25日、同県丸森町筆甫、耕野両地区で、福島第1原発事故に伴う住民対象の健康調査を実施する方針を決めた。同日あった健康調査の必要性を検討する県の有識者会議は「健康に影響はない」との見解をまとめたが、住民の不安解消に向けて「調査は必要」と判断した。(16面に関連記事)
 対象は調査を希望する子どもを想定。甲状腺の超音波検査のほか、内部被ばく量を測定するホールボディーカウンターの使用も検討する。今後、対象年齢や調査項目、方法など詳細を決める。対象は数十人規模となる見通し。
 岡部敦保健福祉部長は会議後の取材に対し「(健康への影響がない)確認のための調査で、項目は絞り込む。できるだけ早い時期に実施したい」と述べた。
 県の推計によると、県南地域の年間被ばく線量は丸森町の耕野、筆甫両小では年1ミリシーベルトを超え、それぞれ4.1ミリシーベルト、2.8ミリシーベルトとなっている。
 県庁であった有識者会議の協議は非公開で行われた。県によると、5人の委員は「科学的、医学的な観点から健康への影響はなく、健康調査の必要性はない」との見解で一致した。県の調査方針には理解を示したという。
 県は調査を実施した上で、分析結果を次回の有識者会議に報告する。開催時期は未定。調査後のフォローの在り方について委員の意見を聞く。

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