年収300万円時代といわれる昨今。なかには子どもがいても、200万円台でやりくりしている家庭も少なくありません。
では、実際に結婚生活を体験している主婦が感じる、世帯年収の「最低ライン」とはどのくらいなのでしょうか?
家庭を営むうえで実際に感じた収入の限界を聞いてみました。
「年収300万円」が最低ライン・・・24人
・「300万あれば、なんとか生活はできると思う。毎日カツカツだと思うけど」
・「家賃が高い地域では無理だと思いますが、田舎に住んでいたときは自分の年収がそのくらいで、同じ収入で子持ちの既婚者もいたから、なんとか生活できるんだと思います」
・「自分の欲を抑えて工夫をすれば、生活費はかからないことを結婚して実感しました。3人暮らしであれば、年収300万円で満足できます」
・「生活水準を変えることができる人とならば、300万でも十分に生活できると思います」
最低300万円は必要と回答した人たちによると、「子どもが1人であれば、300万円でも十分」という理由が多くありました。贅沢はできないけれど、生活するにはなんとか足りるお金、という認識のよう。
「年収400万円」が最低ライン・・・32人
・「マンションを購入したので、切り詰めてローンを支払ってと考えると400万が限界だと思う」
・「せめて年収400万は必要だと思います。貯蓄もしたいし、ときには贅沢したいと思うので」
・「家計簿をつけていて、毎月の支出が25万ほどはかかるので、生活に潤いをもたせるとすると400万くらいはあったほうがよいかと思います。毎月決まった支出に、家電の買い替えや、冠婚葬祭などの急なお金が必要になることもあるので」
・「生活費が15万、子ども2人の幼稚園費が4万円、ほかに保険や年金などを考えたら月30万円は必要なので」
最 も多かったのがこの「400万円」ライン。子どもの教育費や習い事の費用などを考えると、300万円ではちょっと足りないかな?という意見が多かったよう です。また、共働きしないでやりくりできるのも、だいたいこれくらいの年収以上という判断のよう。実際に家計簿をつけて計算したうえでの実感として寄せら れた意見が多くありました。
「年収500万円」が最低ライン・・・28人
・「400万円代だと、必要最低限の費用でいっぱいいっぱいになり、子どもが欲しがるものも気軽には買ってあげられない。それに、常に節約を考え続けるのはしんどい。500万円あれば、少しでも貯蓄しながらやりくりできるから」
・「500万円あれば、子どもの教育費など支払いに不自由しないと思うので」
・「東京でそれなりの生活をするにはこれくらいが限度。家賃や税金、電車賃や交際費は欠かせないところなので、そこの比重が多い」
子 どもの教育費を心配しなくていいレベルが500万円とし、「これくらいあれば理想的」という答えが多くありました。感じ方にも個人差があるようで、「旅行 したり、きれいなところに住むならこのレベル」という人もいれば、「贅沢しないギリギリのレベル」と感じている人もいました。独身時代の年収によっても感 じ方が違うのかもしれませんね。
「年収600万円」が最低ライン・・・6人
・「最低600万円はないと住宅ローンも払えないし、学費もかかるし、将来に向けての貯金もできないから」
・「このくらいなら、子どもが3人いて、月5万くらいの貯金をしつつ、多少旅行したりできる」
子どもが多かったり、将来に十分な蓄えを作りたかったら、このラインという答え。「あればあるほどいいので」という回答もありましたが、理想ではあるけれどギリギリがんばれば達成できるかも?というラインかもしれません。
「年収700万円」が最低ライン・・・10人
・「子どもが生まれると教育費がかかるようになってくるので、700万円以上ないと大学に進学させられません」
・「家族4人で将来の貯蓄まで考えると、都内近郊で生活するならそのくらいないとキツイ」
・「子どもが小さいうちは教育費もあまりかからないけど、大きくなるにつれて学費もかかるようになるし、マイホームローンなどの出費が増えるので、多いにこしたことはないと思う」
現実的に「700万円以上」の年収というのは、今の日本では一部の人に限られているけれど、子どもが何人もいて全員大学に進学させて……と考えると、確かにこれくらいの年収は理想ではありますよね。
必 要だと思う収入は人によってかなり違いがあるものの、年収300万~400万円をボーダーと考える人が多かったようです。お金は多ければ多いほどよいので しょうが、ほとんどの人が現実的な判断として「これくらい」と答えているのが印象的でした。長引く不況の中、理想を言っても仕方がないということが、主婦 のみなさんも身に染みているのかもしれませんね。
文/吉田直子
※暮らしニスタ編集部が既婚女性100人を対象に行ったアンケート調査より
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