第53回ブルーリボン賞が25日、東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)から発表された。授賞式は2月15日、東京・銀座ブロッサム(中央会館)で行われる。
日刊スポーツ映画大賞主演男優賞に続いての主演男優賞受賞に妻夫木聡(30)は「本当にもらったのか信じられない。自分の糧になります」と喜んだ。全てをささげた作品だったというように「悪人」で清水祐一になりきった。撮影前から食事をあまり取らず、体重はベストの60キロから56キロに落ち、あばら骨が浮き出した。「体をしぼる」意識ではなく、祐一になりきった結果だった。
なかなか役から抜けられなかったが、最近ようやくよく眠れるようになったという。妻夫木は「やっぱり自分は役者。どう演じるかしか考えなかった」。役へのアプローチも変わり、精神面から入ることが多くなった。映画評論家川本三郎氏の記者時代を描いた新作「マイ・バック・ページ」(5月28日公開)の撮影前には、カメラを提げ阿佐谷の街をぶらぶらして、生活感を感じた。「『悪人』をやって、お芝居を遊ぶ自由さをあらためて感じました。真っ裸になって全力でダッシュしてみるのもいい」と語った。