東日本大震災で津波をかぶった宮城県岩沼市寺島地区の畑に24日、レタスの苗が作付けされた。作付けは震災後初めてで、農家の女性たちは「久しぶりに仕事ができる」と笑顔で作業に当たった。
作付けされたのは、農業平塚静隆さん(55)の自宅前の畑10アール。がれきを撤去し、ミネラルや微生物資材を施して土壌改良した5アールと、改良をしない5アールに、地区住民7人が参加して計8000株を植え付けた。
資材はすべて「末日聖徒イエス・キリスト教会」(本部・米国ユタ州)の資金援助で、東京の資材会社が提供した。
平塚さん方は専業農家で、水田1ヘクタールと畑1.4ヘクタールを経営する。海岸から約1.4キロにある自宅や倉庫は浸水、農機具も使えなくなり、ことしはコメも露地野菜も作付けできない状態だった。
レタスは10月中旬に出荷できる見通し。平塚さんは「塩害の影響と土壌改良の効果がどれだけあるかを実証し、うまくいけば地区の他の農家にも作付けを勧めていきたい」と話していた。