乳輪の圧迫が効果的? ジワッとしみる不快な“ワキ汗”解消3つの掟

夏が近づくと悩みのタネなのが「ワキ汗」。汗パッドや制汗スプレー、さらにはボトックス注射など、対策法はいろいろありますが、お金をかけず、カラダにも無理のないワキ汗対策法はないのでしょうか?
そこで“汗のスペシャリスト”五味クリニックの五味常明院長に、人間のカラダのしくみに即した「ワキ汗解消法」を聞きました!
■不思議なカラダのしくみで汗を止める方法
一時的に顔やワキ汗を止める方法として、人間のカラダに備わった不思議なしくみを利用する方法があるそうです。
「人間のカラダには、カラダの片側を圧迫すると、圧迫した側の汗が減って、反対側の汗が増える“半側発汗(はんそくはっかん)”というしくみがあります。これを利用すれば一時的に顔やワキの汗をおさえることができますよ」
上半身を圧迫すると、下半身の汗が増えて上半身は減る、右側を圧迫すると、左側の汗が増えて右側が減る、というように、圧迫した側の汗をおさえられるしくみが「半側発汗」。ではこのしくみを使った、具体的なワキ汗解消法は?
「顔やワキの汗をおさえたいなら、胸の乳輪あたりを強く圧迫したり、浴衣の紐などで胸を縛るといいですね。舞妓さんが帯で胸を圧迫するのは、汗をおさえて化粧崩れを防いでいると言われているんですよ」
紐で巻く場合は長時間巻かないように、とのことですが、大事な面接や絶対にキメたいプレゼンなど、ここいちばんのとき、一時的に汗をおさえるにはよさそうです。
■食べ物で汗をコントロールする方法
そもそも「汗」とは、食べたものがエネルギーに変わる際に出るもの。カプサイシンやショウガなど、汗をかきやすい食べ物があるように、汗をかきにくい食べ物もあると五味先生はいいます。
「すべての食べ物は消化吸収されて一部がエネルギー源として利用される際、必ず熱が出ます。熱が体内にたまると体温が上がりますから、汗をかいて熱をさげるのです。なので、何を食べるかで汗の量をある程度コントロールすることができます。汗をかきにくい食べ物ならたくさんありますよ」
例えばどんな食べ物が「汗をかきにくい」のでしょうか?
「炭水化物はタンパク質や脂肪より汗をかきにくいし、辛味や甘味などの刺激が少ない食べ物も汗はかきにくいですね。さらに納豆などの大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモン様作用があるんですが、実は女性ホルモンは発汗を抑制する働きがありますので、大豆も汗をかきにくい食べ物といえますよ」
刺激物や、タンパク質、脂肪を避け、イソフラボンを多くとる。食事で汗をコントロールする意識を持つことで、不快な汗をだいぶおさえられそうですね。
■人体のしくみに沿った“肉体改造”計画
皆さんは、熱帯地方などの暑い地域に住んでいる人はあまり汗をかかないと聞いたことがありませんか? 実はこれも人間のカラダに備わった「長期暑熱順化」というしくみによるものだそうです。
「暑いところで長く暮らしていると、皮膚の血流量が増して皮膚温が上がり熱の放出が盛んになるので、汗そのものをかく必要がなくなるんです。さらに、暑さで自然に汗腺が刺激されて、少ない発汗でも体温の調節ができるようになるんですよ」
なるほど、そういう肉体になれば、ワキ汗も必然的に減りそうですが、一体どうすれば肉体改造できるのでしょうか?
「夏になる前から『短期暑熱順化』という汗腺の機能訓練をするといいですね。具体的には、春先から有酸素運動をはじめて、同時に毎日30分くらい熱めのお湯で入浴して汗腺を鍛える。梅雨時からは暑くなってもエアコンを使わない生活で暑さに汗腺を慣らすのです。もちろん夏もできるだけエアコンに頼らない生活を心がけてください」
そうしているうちに少しずつカラダが慣れて、汗をかきにくい体質に変わっていくそうです。数年間続けると熱帯地方の人と同じ「長期暑熱順化」のような汗腺ができ上がってくるそうですよ。もちろん効果には個人差がありますが、五味先生が教えてくれた3つのワキ汗解消法、試してみてはいかがですか?
(ロックスター高橋)
取材協力/医学博士・五味常明先生
ワキガ・体臭・多汗治療のスペシャリスト。ワキガの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。多くのテレビや雑誌でも活躍中。「体臭恐怖」(ハート出版)「読むだけで汗が少なくなる本」(講談社)など著書多数。

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