県産乾(ほし)のり「みちのく寒流のり」の今季の初入札会が26日、塩釜市の県漁協塩釜総合支所の乾のり集出荷所であった。全国の他産地に先駆け、県内10支所から集まった約1168万枚が並び、仲買業者ら約200人が色やつや、香りを確かめて落札した。
県漁協によると、最高値は東松島市の矢本支所管内の100枚3980円。平均落札価格は100枚当たり2600円(前年比805円増)で、2009年以降で最高額となった。総落札額は4億3463万円だった。
今季のノリ生産は8月ごろに採苗を実施。水温が上がりきらない早朝に作業するなど、高海水温対策を講じた。9月下旬に育苗に入り、11月上旬には海中の栄養が行き届かないことが理由の「色落ち」が見られたが、その後の低気圧で海がかき混ぜられて色づきが改善した。
落札価格の上昇は、昨季の不漁で市場の在庫が少ないことに加え、国内最大の養殖ノリ産地の九州・有明海産が今季も不作の見通しであることが影響したとみられる。
県漁協のり部会の鈴木信悦部会長(59)は「異常気象の中でも生産者の努力で色つやや歯切れのいいノリに仕上がり、ほっとした」と話した。
昨季の生産実績は約2億8100万枚。今季は生産者98人が約4億枚の生産を目指して来年4月まで収穫を続け、5月中旬に最終入札する予定。