顧客満足度調査を行うJ.D. パワー ジャパン(東京都港区)は、「J.D. パワー 2022年自動車保険事故対応満足度調査」の結果を発表した。総合満足度ランキングの1位は「ソニー損保」だった。
調査開始以来、最高の総合満足度に
本年調査の総合満足度は、前年と比べ10ポイント増加した717ポイント(1000ポイント満点)だった。06年の調査開始以来、最高の総合満足度を更新した。
満足度を構成する6つのファクター中、「調査/認定結果」、「事故受付体制」、「保険金支払」の3ファクターにおいて前年を10ポイント以上上回る満足度であった。「事故受付体制」については、そのファクターを構成する「保険会社の社員」、「コールセンター」、「代理店」の全サブファクターで前年から10ポイント以上の向上が見られた。
保険金支払いの満足度は?
総合満足度の中でも重要なファクターである「保険金支払」について、「最終的に納得のいかなかった内容がある」と答えたのは26%で、前年比横ばいだった。納得のいかなかった内容を見ると、最も多かったのは「過失割合/事故相手との交渉状況」で16%だった。
保険金支払について納得していない顧客の総合満足度は納得した顧客に比べかなり低く、「全て納得がいった」人の総合満足度が759ポイントに対し、「納得のいかなかった内容あり」と答えた人の総合満足度は600ポイントと、159ポイントの差があった。
また、事故経験後の同じ保険会社での継続率も、「全て納得がいった」と答えた人の91%が「引き続き同じ保険会社で契約」しているのに対し、「納得のいかなかった内容あり」の顧客では81%と下回り、17%が「現在は、別の保険会社で契約」していると回答した。
事故経験後、他の保険会社への切り替え理由が「保険会社の事故対応がきっかけで」である割合は、「納得のいかなかった内容あり」と答えた人では59%、「全て納得がいった」人では18%と大きな開きがあり、保険金支払の納得感が継続意向に大きく影響していることがうかがえた。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門の梅澤希一常務執行役員は、「今回の調査では、保険金支払について納得していない顧客の満足度は納得した顧客に比べ大幅に低く、事故経験後の同じ保険会社での継続率も低いことが確認された。事故対応においては、顧客とのコミュニケーションにおいて支払の可能性のある保険金の案内のほか、事故解決の進捗状況を顧客の希望に沿った手段・タイミングで連絡・報告するとともに、『過失割合/事故相手との交渉状況』について顧客に納得してもらうことが引き続き重要であると言える」とコメントした。
今回の調査は、過去2年以内に契約先保険会社への事故連絡(保険金請求)を行った人(18~99歳)を対象に、インターネットで行った。期間は22年7月中旬~下旬、有効回答数は3009人。