夜間点滅信号がある交差点で今年に入り死亡事故が急増し、大阪府警は、赤や黄の点滅でどう走行するかドライバーにあまり認知されていないのが原因と して、夜間点滅信号約2500カ所のうち104カ所を、通常の信号に変えた。年末にかけ、少なくとも6カ所を同様に変更する。府警はさらに見直しを進め、 交通ルールの徹底を呼びかける。
9月15日深夜、門真市内の交差点で、トラックと出合い頭に衝突したオートバイの男性(56)が死亡し た。現場は当時、深夜のため点滅信号だったが、府警は「通常の信号であれば事故を防げた可能性があった」とみる。こうした夜間点滅信号が原因とみられる死 亡事故は、平成24~26年の過去3年間でわずか1件だったが、今年は1~10月で4件も起きた。
府警によると、夜間点滅信号は主に郊外 に設置され、おおむね午後11時~午前5時に赤か黄の点滅に切り替わる。黄の点滅は「注意して進め」、赤の点滅は「一時停止して進め」という意味だが、一 般のドライバーに浸透しきれておらず、特に赤は「徐行して進めだと思っていた」と誤解するケースも多いという。
府内では平成26年末で、全信号の約2割の2488カ所に設置。道路形状や夜間の交通量などから導入を進め、近年は一定数を保ってきたが、事故多発を受け一部を通常の信号にした。
ただ、府警は「夜間に著しく交通量が減る交差点では、通常の信号が円滑な交通を妨げる可能性がある。夜間点滅信号の役割は小さくない」とし、点滅信号の必要性も強調する。
府警交通規制課の担当者は「信号の見直しとともに、ドライバーに正確な交通ルールを認識してもらい、事故抑止につなげたい」と話す。(大森貴弘)