山梨県北杜市小淵沢町の「八ヶ岳リゾートアウトレット」の運営会社が1日に事業停止した問題で、電力会社による給電の期限の5日を迎え、閉鎖に反対して自主営業しているテナント約10店は「いつ電気が止まるのか」と不安を募らせながら訪れた客に応対した。
「どうしていいか分からず、もどかしい」。服飾店を一人で営む男性(48)は困惑した表情を浮かべた。
自主営業するテナント側は2日、電力会社に引き続き給電するよう要望したが、明確な回答が得られていない。給電停止が5日以降になるとの情報もあり、やきもきした状況が続いている。
こうした中、常連客などから営業するかどうか確認する電話が相次いでいる。男性は「電気が供給される限り頑張って店を続けたい」と話した。
一方、土日の営業を終え、ガラスドアに「閉店しました」と掲示したり、移転準備に入ったりする店も出てきた。アウトドア用品店で働く店員は「営業を続けたかったが、電気が止まればキャッシュレス決済もできなくなる。撤退するという結論になった」と悔しそうに話した。
運営会社の事業停止の影響は、利用客にも広まっており、神奈川県横須賀市の男性(82)は「八ヶ岳周辺を旅行する度にここを訪れてきたが、今日が最後になるかもしれない。孫への贈り物をよく買っていたので寂しくなる」と残念がった。
アウトレットへの給電をどうするかについて、東京電力パワーグリッド山梨総支社は、読売新聞の取材に「顧客の電力契約に関してはお答えできない」と回答した。