二酸化炭素貯留事業化を重点支援 東北日本海側が対象に

エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は13日、二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する「CCS」技術の事業化に向け、国内外7カ所の事業計画を重点的に支援すると発表した。東北は日本海側の青森、秋田、山形3県のいずれかの海域が対象となる。本年度に事業調査を開始。2030年度までの事業スタートを目指し、脱炭素社会の実現につなげる。

 東北で事業化に取り組むのは伊藤忠商事、日本製鉄、太平洋セメント、三菱重工、伊藤忠石油開発、INPEX、大成建設の7社。全国のセメント工場、製鉄所などのCO2排出地域から貯留地域まで船舶輸送する。貯留量は年間200万トンを見込む。

 今後、参画する7社が現地調査し、貯留地域を絞る。国は15年度以降、秋田県能代沖で貯留に向けた適地調査を実施。県や能代市は早期事業化のための法整備を国に要望している。

 他の事業化支援地域は、出光興産などが参画する北海道・苫小牧地域、東北電力などの東新潟、首都圏、九州北部沖~西部沖の国内4カ所と、マレー半島東海岸沖、オセアニア地域の海外2カ所。計7カ所で約1300万トンの貯留を見込んでいる。

 再生可能エネルギーの導入を今後拡大しても、発電や製鉄などの過程でCO2排出を削減しきれない分が残るため、地下貯留が期待されている。

 西村康稔経済産業相は閣議後記者会見で「CCS事業が本格的に始動する。具体的にCCSが始まる時までに法制度を整備したい」と話した。

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