2020年東京五輪のエンブレムがベルギーの劇場ロゴと似ていると指摘されている問題で、エンブレムの展示例の画像に使われている写真が、イン ターネット上の個人サイトなどから無断転用された疑いがあることが30日、分かった。大会組織委員会は産経新聞の取材に、作者の佐野研二郎氏側が画像を制 作したことを認め、「事実関係などを確認する」としている。
無断転用の疑いがある展示例の画像は、羽田空港のロビーの天井からエンブレムをぶら下げたものと、渋谷駅前のビルにエンブレムを掲げたものの2枚。組織委が佐野氏のデザインの選考過程を説明した会見などで示していた。
羽田空港の画像は、外国人女性がブログに公開している写真と、ぶら下がっている広告や利用客の位置などが酷似。この写真には著作権を示す「Copyright(C)Sleepwalkingintokyo」の文字があるが、展示例の画像では確認できない。
渋谷駅前の画像は、ビルや雲などの風景が別の外国人のブログ、人混みが2013年にベルギーで開催された世界最大級の野外音楽フェスティバル「tomorrowland」のホームページの写真と一致し、2つを合成した可能性があると指摘されている。
組織委の高谷正哲戦略広報課長は「展示例の原案は佐野氏がコンペの応募段階で提出した。無断転用であれば著作権の問題が生じると考えており、31日以降に佐野氏本人から事実関係を確認したい」としている。