2020年東京五輪・パラリンピックのシンボルマークとなる新公式エンブレム選考のた めに設置された「東京2020エンブレム委員会」の第2回会合が6日、都内で開かれ、応募要項の骨子が決定した。応募締め切りは12月7日正午。応募資格 について、年齢は18歳以上だが、「10人以内のグループも可」とされ幼児も参加できる。組織委担当者は「極端に言えば、0歳児も、(白紙撤回されたエン ブレム作製者の)佐野(研二郎)さんも参加できる」と話した。(江畑 康二郎)
デザイナーの佐野研二郎氏(43)が作った公式エンブレムが白紙撤回となってから約1か月。新たなエンブレムを作製するための応募資格は、大幅に緩和された。
エンブレム委員会は、この日午後、2時間以上の議論を経て「応募要項案のポイント」をまとめ、発表した。前回は、過去に受賞歴があるデザイナーなどに応募資格が限定されたが、今回は、なんと「0歳児」でも参加できるという。
主な応募資格は、
〈1〉経験、受賞歴は問わない。〈2〉18歳以上。〈3〉日本国籍、及び日本在住の外国籍の人。〈4〉個人だけでなく、グループでの参加を認める。ただし、いずれも1作品のみ。
〈4〉のグループについては、代表者は18歳以上に限るが、他のメンバーの年齢は不問のため、幼児も参加可能となった。また、佐野氏を含め、前回応募したデザイナーらも参加できる。
間口が広がったことで、応募が殺到する懸念があるが、東京芸術大学長の宮田亮平委員長(70)は「何万件来ても大丈夫なようにする」と胸を張った。応募は、組織委が「専用ウェブサイト」を開設し、描画ソフトで作製された作品をインターネットのみで受け付けていく。
一方、コンセプトについて、キーワードが「スポーツの力」「日本らしさ・東京らしさ」「自己ベスト・一生懸命」のみならず「革新性」「未来志向」「インク ルージョン(一体性)」「復興」「世界の平和」の8つに及んだ。これに対して、「多すぎて、戸惑うのではないか」と反対意見を述べる委員もいたという。
次回の会合は16日。来週中に審査方法を含め正式に「応募要項」を発表する。その後、作品の受け付けを始め、12月7日正午に締め切り、来春のエンブレム 決定を目指す。当選作品の作製者の氏名の公表やタイミングは、本人と相談し決める。前回同様、賞金は100万円。作製者は東京五輪・パラリンピックの開会 式に招待される。
宮田委員長は「たくさんの人に関わってほしい」と力説。委員の一人のプロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長(75)は、「とても有意義な話し合いができて盛り上がった」と満足げに会場を後にした。