五輪談合、組織委側から電通へ「これで合意した」のメール…応札予定の企業一覧も添付

東京五輪・パラリンピックのテスト大会事業を巡る入札談合事件で、大会組織委員会側が入札前の2018年春、「電通」側に対し、競技会場ごとの応札予定企業が記載された一覧表を添えて「これで合意した」とメールで伝達していたことがわかった。東京地検特捜部はメールを押収し、複数の組織委元幹部や電通幹部が談合の「合意」に関わっていた疑いがあるとみて調べている。 【一覧表】談合が疑われる企業、会場、契約金額の一覧

 関係者によると、組織委と電通はテスト大会を計画立案する業務の競争入札について、17年頃から、応札予定企業の受注意向を調査し、一覧表で共有していた。組織委側は入札前の18年春、電通側に対し、メールで「これで合意した」と伝達。メールには一覧表が添付されていたという。

 この過程では、陸上競技団体からテスト大会を担当する組織委の「大会運営局」に出向していた元次長や、電通から出向していた組織委元幹部、電通幹部ら数人が関わっていたとみられる。

電通本社に入る東京地検の係官ら(11月25日、東京都港区で)

 入札は18年5~8月に計26件が行われ、電通など9社と一つの共同事業体が総額5億円余りで落札した。入札の大半は「1社応札」となり、ほぼ一覧表の通りに落札されていたという。

 特捜部は公正取引委員会とともに、9社のうち電通など8社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜索。「合意」を伝えるメールや一覧表を押収したほか、電通側が一部の企業に入札回避を求めたことを示唆するメールを入手した。特捜部と公取委は、組織委と電通が受注調整を主導したことを示すこれらの証拠をもとに、関係者の聴取などを進めている。

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