■サーフィン「メダル持ってこられる選手に」/スケートボード「どんどん変わる環境が楽しみ」/ボウリング「透明性のある説明を求めた
2020年東京五輪で、国際オリンピック委員会(IOC)に追加種目として提案されることが決まった競技団体、落選した団体が28日、それぞれ会見を開 いた。「若者へのアピール力」を決め手に選ばれたサーフィン、スケートボード、スポーツクライミングの3競技団体は喜びを爆発。一方、落選組からは不満の 声が上がるなど、明暗が分かれた。
「海洋国家の日本でサーフィンが行われることは大きな意義がある」。サーフィンの選出を受け、日本サーフィン連盟の酒井厚志理事長(56)は興奮を隠せない様子でこう話した。
東京都文京区の会見場で組織委の会見を見守った関係者。5番目にサーフィンの名前が読み上げられると「よし!」「やったぞ」と拍手がわき起こった。
日本代表強化指定選手の大村奈央選手(22)は「夢の中にいるよう。5年後はぜひ日本代表としてメダルを持ってこられる選手になりたい」と語った。
スケートボードが選ばれた日本ローラースポーツ連盟は平沢勝栄会長(70)らが会見。「大きな励みになる」と喜んだ。プロスケートボーダーで、アジアで は数少ないトップ選手の一人として知られる瀬尻稜選手(18)も「これから環境がどんどん変わっていくので楽しみにしている」と今後に期待した。
競技団体の事務所が数多く入る東京都渋谷区の岸記念体育会館では、選出と落選の団体がともに会見を実施。笑顔と涙が交錯した。
スポーツクライミングの選出で会見した日本山岳協会の八木原国明会長(68)は「待ちに待った知らせに感激している」と安堵(あんど)の表情。会見に出 席したワールドカップ(W杯)年間ランキング3位の野中生萌(みほう)選手(18)は「五輪に正式に選ばれたらもちろん金メダルを獲得したい」と目を輝か せた。
一方、スポーツクライミングのすぐ近くで行われた日本スカッシュ協会の会見は重苦しい空気に包まれた。2012年、16年に続く立候補でまたも落選した スカッシュ。笠原一也会長(77)は「ショックです。なぜ選ばれなかったのか…」と肩を落とし、昨秋の仁川アジア大会代表の小林海咲選手(25)は「選ん でおけばよかったと思ってもらえるよう競技力を上げたい」と誓った。
「チャンスをつかむことができず残念。現時点では理解することも、納得することもできない」。ボウリングの落選を受け、全日本ボウリング協会の武部勤会長(74)は悔しさをにじませた。
最終選考の8競技に残っったボウリングだが、最終選考を前に、一部メディアが「(今回選出された)5競技が有力」などと報じたことに協会が反発。17日、組織委に対し、選考課程の透明性の確保などを求める要望書を提出していた。
「若者にも親しまれるボウリングがなぜ選ばれなかったのか。透明性のある説明を求めたい」と武部会長。一方で「スポーツは勝つときもあれば、負けるときもある。反省するところもあるかもしれない」とも話した。