東日本大震災で被害を受けた宮城県亘理・山元地域のイチゴ生産の復興を後押ししようと、亘理町内の菓子店5軒がイチゴを材料に新たに考案した菓子「わたりいちごスイーツ」の発表会が3月24日、同町中央公民館で開かれた。
出品されたのは5品で、焼き菓子が「いちごのフリアン」(ジョアンナ洋菓子店)、「亘理のいちご」(作間屋支店)、「ひとつぶ」(リモージュ)の3品。餅菓子の「いちごもち」(大槻菓子店)、「亘理いちごの100%濃縮ゼリー」(渡部菓子店)。それぞれペーストやフリーズドライに加工されたイチゴを生地やあんに練り込み、風味や酸味を引き立たせるよう工夫している。
ゼリーを考案した渡部安弘さん(58)は「甘さを控え、イチゴの香りと酸味を生かした。種の粒々の食感も楽しんでほしい」と話した。焼き菓子の「亘理のいちご」を作った森保次さん(65)は「店が津波で全壊し、再オープンして1年半になる。地元のイチゴ農家とともに復興を目指して頑張りたい」と語った。
5軒は県の小規模事業広域活性化事業補助金を利用し、昨年12月から新商品の開発を進めてきた。亘理山元商工会の丸谷由郎会長は「イチゴは亘理・山元の復興のシンボル。生食以外の利用方法を模索して消費拡大につなげたい」と話した。
新作菓子は各店で取り扱い、一部はすでに販売されている。