交流人口の増加へ 観光業界や利用客歓迎 東北初LCC

 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションが12日新設した仙台-関西線は、手頃な料金設定もあって空路の活性化に期待が集まっている。ライバルとなる既存の航空会社は静観の構えを示す一方で、観光業界や利用者からは歓迎する声が相次いだ。
 「交流人口の増加は東日本大震災からの復興に向けた重要テーマの一つ。ピーチの就航は大いに役立つ」。仙台空港で行われた就航記念式典で、仙台空港国際化利用促進協議会の鎌田宏会長(仙台商工会議所会頭)は力を込めた。
 航空需要の増加は交流人口の拡大に直結するため、地元業界の期待は高い。仙台国際ホテル(仙台市)の野口育男社長は「復興実需に携わるビジネス客はもちろん、観光で仙台、東北を訪れるきっかけになるのではないか」と語った。
 外国人客誘致に取り組む仙台市の伊藤敬幹副市長は「成田空港に加え、関西空港という新たな国際線のツールを得た」と関空を玄関口とした観光振興の戦略を描く。
 大手航空会社と比べ4~6割という料金設定は、乗客にも魅力的だ。
 第1便で仙台空港に降り立った大阪市の会社員池田修二さん(31)は「2人で往復2万3000円の料金はお得。東北をゆっくり回り、被災地の状況も見たい」と話した。京都市の会社員本田光一さん(41)も「この料金なら(6月の)東北六魂祭にも訪れたい」と興奮気味に語った。
 既存の路線を運営する大手航空会社は、値段ではなくサービス面での差別化を図る考えだ。全日本空輸は「良きライバルとして、航空需要全体のパイを広げたい」(広報室)と話した。

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