京セラが米国で販売する耐衝撃性に優れたスマートフォン(高機能携帯電話)が、建設業や運送業などの現場で働く人たちから人気を集めている。今月上旬に千葉市で開かれた家電・IT見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン2013」では、米国ジャーナリストが選ぶ部門賞を受賞した。個人向けスマホ事業から撤退したパナソニックも、海外を中心に、法人向けとして耐衝撃性に優れたスマホ投入を検討しており、スマホの新ジャンルとして存在感を増している。
京セラのスマホは「Torque(トルク)」の商品名で今年2月に米国で発売開始。揺れたり、物にぶつけたりするなど過酷な現場での使用を想定し、高所からの落下に耐えられる耐衝撃性のほか、高い防水・防塵性能などを備える。
作業しながらスマホを使用することになる建設関係者らに好評で、米国では個人向けよりも業務用途での使用が多いという。トルクを展示したシーテックでは、米国ジャーナリストが選ぶ「米国メディアパネル・イノベーションアワード」のモバイル部門賞を受賞した。
京セラは「現段階で日本市場での展開は想定していない」としながらも、「シーテックでは『日本でも発売されれば使いたい』との引き合いが多かった」としている。
一方、パナソニックは法人向けとして耐衝撃性に優れたノートパソコンやタブレット端末を「タフ」シリーズとして展開しており、スマホでの「タフ」シリーズ展開も検討している。