人の体には、「やる気を出すホルモン」がある

 「最近、何だかやる気が出ない…」と思っている方は、もしかすると、あるホルモンが減っているかもしれない。そのホルモンとは「テストステロン」。いわゆる「男性ホルモン」だ。
 テストステロンは、胎児期の男性器、幼児期の男の子っぽい考え方、思春期の男らしい体つきを形づくるのに大きく関わっている。
 しかし、実は女性の体内にも、女性ホルモン・エストロゲンの10倍以上のテストステロンがある。テストステロンは何も男性だけに働いているのではなく、男女共通の普遍的な作用もあるのだ。
 その普遍的作用の1つに「やる気の向上」がある。堀江重郎氏(順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授、順天堂病院泌尿器科医)は、その効果について次のように述べている。(『10MTV』収録「やる気に関係するホルモン『テストステロン』」)
 <人は社会的に認められると、テストステロンが増えるのです。例えば、運動会で1等賞を取ったり、授業参観の時に当てられて正解を答えた子の体内ではテストステロンがどんどん出ています。
 このようにしてテストステロンが増えると、新しいことにチャレンジする意欲が増し、社会的に公平・公正な考え方を持ちやすくなり、嘘をつきにくくなることが分かっています>(編集部要約)。
 逆に、テストステロンが減ると、前向きでなくなり、うつやメタボにもなりやすくなるそうだ。
 なぜテストステロンがこのような働きをするのか。それは中高年、特に中高年男性が生殖を卒業した後も溌剌と長く生きるためだ。そのために、テストステロンは社会に関わることによって高まるのだ、と堀江氏は考えている。
 テストステロンは、幼児や青年だけでなく、中高年にも欠かせないホルモンなのだ。もちろん男性だけでなく、女性にも確かな効果を発揮する。
 高齢化社会を迎え、今後ますます、中高年の方々のテストステロン量の維持が大切な世の中になっていくだろう。その維持に最も効果的なのは、趣味を楽しみ、友達と遊び、何よりも楽しく競うことだ。
 たまには仕事もほどほどに、体内のテストステロンを増やしてみてはいかがだろう。それが明日の活力になるはずだ。
(10MTV編集部)

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