人口 宮城、13年ぶり転入超過 3~5月 復興で企業進出

 総務省は25日、今年3~5月期の人口移動報告を公表した。東日本大震災で被災した宮城県は、復興需要による企業進出などで13年ぶりに転入者が転出者を逆転。福島県は9779人の転出超過となったが前年同期と比べ約4割減で、被災地からの人口流出が鈍化した形だ。一方、液状化被害が出た千葉県は53年ぶりの転出超過となった。
 報告は住民基本台帳に基づいて集計した。宮城県は転入が転出を1249人超過。1万188人の転出超過だった前年同期と比べ、転入者が8077人増えたことが影響した。総務省は「復興需要で企業が人を送る動きが続いている」と分析。転入元は東京都の2962人が最も多かった。ただ、東京都へは転出者も多く、差し引きでは1607人の転出超過。福島県からは1473人の転入超過だった。
 福島県は転出が1万9018人に対し、転入は9239人。転出超過は、東京電力福島第1原発事故直後だった前年同期の1万7524人から44%減った。転出先で最も多いのは東京都の3586人だった。岩手県は3225人の転出超過で、前年同期の4040人から大きな変化はなかった。
 千葉県は226人の転出超過となり、前年同期の転入超過4376人から一変した。原発事故後、県内に放射線量が比較的高い地点があったことや、液状化被害が影響しているとみられる。

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