◎山形県/特別枠創設優先的に配分
山形県は15日、2015年度予算の編成方針を発表した。新たな人口減少対策として要求額の上限を設けない「人と地域が輝く『やまがた創生』特別推進枠」を創設。財源を優先的に配分し、成長戦略と一体的な施策を展開する。
創生枠は、総合的な少子化対策や人材の県内定着、回帰、活力ある地域づくりなど、部局横断的な人口減少対策事業を対象にする。予算額をあらかじめ決めず、要求内容を精査した上で積み上げ、必要な財源を充てる。
中小企業振興や食産業王国実現など、吉村美栄子知事が掲げる成長戦略に沿った事業にも「成長戦略特別推進枠」を設ける。14年度の「産業振興・地域再生特別推進枠」をリニューアルし、要求額には上限を設けない。二つの特別枠と人件費や公債費などを除いた経費は、14年度当初と補正を合わせた現計予算(一般財源ベース)の範囲内の予算要求を認めた。事務事業は予算査定時にゼロベースで見直す。
道路や橋などの県有インフラ、庁舎など県有建物の修繕に今後30年間で、総額7239億円が必要との試算がまとまったことから、長寿命化や維持管理コスト低減を推進するよう新たに求めた。
◎秋田県/部局横断子育て支援に力
秋田県は15日、2015年度一般会計当初予算の編成方針を固めた。人口減少、少子高齢化が全国に先駆けて進んでおり、部局横断の人口減対策を重点的に進める。
策定中の人口問題対策案などを基に(1)若年層の転出抑制と移住の拡大(2)出産数増につながる結婚、出産、子育て支援強化(3)地域社会維持のためのインフラやネットワークづくり-に力を注ぐ。
農業分野では、コメの生産調整(減反)見直しや概算金の大幅下落を受けて、資金繰り悪化や生産意欲の減退が懸念され、集中的な施策を展開。コメ偏重から、収益性の高い複合型の農業に構造転換させる取り組みを加速する。
県政運営の指針「第2期ふるさと秋田元気創造プラン」関連では、再生可能エネルギーや医療・福祉機器関連産業の育成、農林水産業の6次産業化などに重点配分する。
新規事業・拡充分として80億円程度を見込む一方、人件費抑制や事業精査などで経常経費と政策経費を圧縮し、合わせて90億円程度を捻出する。社会保障関係費の増大などが響き、収入不足は50億円増の約200億円になる見通し。財政調整基金などの取り崩しで対応する。