乳がん手術後の乳房再建や豊胸のため、人工乳房(インプラント)を使った女性の一部に特殊なリンパ腫が起きている問題で、米食品医薬品局(FDA)から対象製品の自主回収を要請されたアラガン(本社・アイルランド)の日本法人は医療関係者に、この製品を埋め込む手術を中止するよう呼びかけを始めた。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、国内で乳房再建を目的に承認を受けて販売されているインプラントは、アラガン・ジャパンの製品のみ。同社は現在、自主回収の対象となったタイプの製品だけを販売しており、インプラントによる保険診療での乳房再建は一時的に中断されることになりそうだ。同社は、別タイプの製品を今秋にも販売するとしている。
インプラントを使った乳房再建には公的保険が適用されていて、国内で年間約6500件が実施されている。