人手不足に対応するため企業の間では、人工知能を活用したシステムで社員の経歴などを分析し、適切に社員を配置して、生産性の向上を図ろうという動きが出ています。
このうち半導体製造装置で国内最大手の「東京エレクトロン」は、国内や海外にいる全社員、およそ1万2000人の経歴や語学力などをデータ化したうえで、人工知能を活用して分析するシステムを導入しました。
このシステムは、社内の部署ごとに仕事量に応じて要員数を算出したうえで、人事データの分析結果を基に配属すべき社員をリストアップできるということです。システムは、アメリカ企業が開発し、ほかの日本企業でも導入されているということで、この会社ではシステムを活用して、従来の年功序列型の人事制度の見直しなどを進めていくとしています。
東京エレクトロンの土井信人人事部長は、「日本型の仕組みをやめることに抵抗感もあったが、社員の生産性向上につながっている」と話しています。
こうしたシステムは、アメリカで導入が進んでいて、先週東京都内で人事担当者を対象に開かれた会合では、アメリカ企業の担当者が、「離職などのリスクも低下させられる」として、売り込みを図っていました。
国内での導入拡大にあたっては、データに表れない業務をどう評価するかやシステムの分析結果と人が行った評価とをどう組み合わせて、新たな制度を作るかなどが課題になるということです。
人手不足の深刻化で、生産性の向上が日本企業にとって重要になるなか今後こうしたシステムの活用が広がるかが注目されそうです。