アイリスオーヤマが、配膳作業を行うロボットの品ぞろえを強化している。主に飲食店の人手不足を解消しようと2021年に市場参入。旅館やホテルにも用途が拡大し、多様化する顧客ニーズを背景に18日には3種目を売り出した。11日には企業を対象に1週間無料で使ってもらうキャンペーンも始め、一層の普及を目指す。
「1週間無料」普及に力
18日に発売した配膳ロボット「デリバリーX1 アイリスエディション」は、黒を基調とした高級感のあるデザインが特徴。スタイリッシュでホテルやレストランなどにもなじみやすい。最大4段のトレーで30キロまでの配膳・運搬が可能。最高走行速度は毎秒0・8メートル。レンタル5年プランで月額5万9800円。
21年2月発売の「サービィ アイリスエディション」は3種の中で最も小型で小回りが利く。22年2月発売の「キーンボット アイリスエディション」は最大40キロと大容量の運搬が可能。旅館やホテルなどへの導入が進む中、白を基調とした既存2種よりも、使用環境になじみやすいデザインへの需要があると判断した。
「サービィ」「キーンボット」に、除菌清掃ロボット「ウィズアイ」(20年11月発売)を含めた導入企業は4000社を突破。顧客は宿泊施設のほか病院や工場、物流倉庫での物品運搬にも拡充している。商機を捉えようと今月11日からは、無料試用キャンペーンを開始した。
ロボットの設定、操作説明、利用環境に合わせた相談にも無料で対応する。試用期間の終了後、同社はロボットの稼働データを取得し、正規導入した場合のメリットなどをリポートにまとめ、利用企業に提供する。申し込みは6月末まで受け付ける。
広報担当者は「ウィズコロナが進んで人の動きが正常化しつつある中、深刻化する人手不足を解消する道としてロボットを検討してほしい。過去事例を生かしたサポートにより、初めてでも安心して使える」と積極活用を呼びかける。申し込みは同社サイトの専用ページで受け付ける。