仙山圏をモデルに広域連携の在り方を考えようと河北新報社が創設した「仙山カレッジ」の第24回フォーラム「地域資源を生かす―活性化のツボ」が27日、仙台市青葉区の河北新報社で開かれた。
地元に埋もれた資源を発掘して磨き上げ、内外に発信し、多くの人が行き交う地域をつくる。そういう好循環を生み出そうと、仙山圏の各地で、民間企業や自治体関係者、芸術家らが試行錯誤を重ねている。
フォーラムには、約100人が参加。カレッジ座長の宮原育子宮城大事業構想学部教授を進行役に、3人のパネリストが地域振興を成功に導く方法について話し合った。
一代で全国的な食のブランドを築いた平田牧場(酒田市)会長の新田嘉一氏は「地域資源は物などではなく、そこに住む人。人をどう教育するかが今後の課題だ」と指摘。行政任せではなく、自立できる人間を育てることの重要性を強調した。
観光振興に奔走する宮城県亘理町長の斎藤邦男氏は、2008年3月、県内の自治体では初の「まちづくり基本条例」を制定したことを紹介。「町民一人一人がまちづくりの主役。それをお手伝いするため、必要度と緊急度を考えながら事業を進めている」と述べた。
仙台を拠点に、アートの視点から全国各地の地域振興に助言する演出家・プロデューサーの吉川由美氏は「旅行では、人から親切にされるなど、その土地の人と交流したことが思い出に残るケースが多い。訪れた人に感動を与えるような出会いこそが、地域を活性化させる」と語った。