人気ユーチューバー事務所、難局 UUUM赤字、身売り表明

 HIKAKIN(ヒカキン)さんら人気ユーチューバーの事務所を運営する「UUUM(ウーム)」が難局を迎えている。2023年5月期は上場以来初の赤字に転落し、広告関連事業を手がけるフリークアウト・ホールディングスへの身売りを8月表明した。動画再生に応じた広告収入が減っており、経営立て直しが焦点となる。

 業績悪化の原因は、最大60秒と再生時間の短いユーチューブの「ショート動画」人気の高まりだ。ショート動画は広告単価が安く、通常動画の減収を補えなかった。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などとの競争も激化している。23年5月期の連結純損益の赤字は10億円に達した。

 フリークアウトは8月14日からウームに株式公開買い付け(TOB)を実施している。ウーム創業者で筆頭株主の鎌田和樹会長らがTOBに応じる。TOBは9月8日までで、発行済み株式の65%を上限に最大97億円を投じる。ウームは東証グロース上場を維持し、フリークアウト傘下で広告市場への展開やコスト削減を進める見込みだ。

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