飲食店コンサルタントの中西敏弘さんがよく受けるという「どんな販促をすればいいのか」という質問。そんな問いに対して、「安売りや値引きなどの販促は一切するな」と指導しているという中西さんが薦める戦略とは、一体どういうものなのでしょうか?自身の無料メルマガ『飲食店経営塾』で詳しく紹介しています。
「販促しない」「割引きしない」「安売りしない」「前年割れしない」経営
セミナーなどでよく、「どんな販促をすればいいですか?」という、質問を受けることがあります。
質問された方が、どういう意味合いで販促とおっしゃってるかはわかりませんが、僕のご支援先では、基本的に「安売りや値引きなどの販促は一切するな!」と、社長さんや店長さんに厳しく言っているので、これをやる店はほとんどありません。なぜなら、安売りや値引きは、店の価値を下げるだけだから。
では、「どうやって客数を増やすのか?」というのが、皆さんの相談事、悩みなんですが、正直、特別なことをしなくても客数は自然と増えます。だから、僕のご支援先では、売上も前年割れするところも少ないです(これは、決して僕の手柄ではなく、ご支援先のスタッフが頑張っているからに過ぎませんが…)。
何をやっているかと言えば、毎月、「何をするのか」という計画を立て、それを愚直に実践してもらっています。つまり、俗にいうPDCAを回しているだけなのです。
ただ、このPDCAを回すのは、考えているより難しい。まず、計画を立てると言っても、闇に雲に計画を立てても仕方がありません。いわゆる「気合いで頑張ります」的な計画では意味がありません。そのため、店の問題点は何かを店の内部から、そして客観的な視点から問題点を特定し、その問題解決のための行動を7W2H1Gを踏まえて作成し、それを行動に移していくのです。そして、日々、数字等をチェックしながら、今の行動が正しいのかどうかを確認しながら、少しでも違和感があれば修正しながら、行動を続けていく。月末になれば、その行動を振り返り、課題を再度抽出して、その改善計画を立てていく。これをただ繰り返していくだけなのです。
しかし、これを実践するためには、まず、店の「コンセプト」がしっかりと固まっていなければならないし、また、そもそもの会社の考え、つまり「理念」が明確になっていて、皆が「理念」を意識して、「理念」を基に各人が自分で考えて行動する、という基盤がなくては、上記のPDCAは上手く回っていかない。つまり、繁盛している店、継続的に売上が向上している店というのは、本当に特別な事をしているわけではなく、会社・店の軸がはっきりとしていて、仕事のやり方が仕組み化され、それを日々愚直に実践していく、という「王道」を歩んでいるところが多いものです。
反対に、売上に苦戦している店ほど、継続的な取り組み、例えば、定期的に新メニューを投入したり、居酒屋であれば、季節に応じて宴会メニューを提案したり、接客を高まる取り組みをしたり、などの行動を「全く」というほどせず、ただただ日々営業する事だけで、お客様が来ないからと、場当たり的な販促をしたり、安売りをしたり…、などの「小手先」に頼るところなのです。
どちらを選ぶかは、経営者さん次第ですが、もし、「販促しない」「割引きしない」「安売りしない」「前年割れしない」経営を目指すなら、まずは、自社の経営の「軸」を構築し、この「軸」に基いた経営を行うのが一番!