今が旬の「鮭」、「サーモン」となにが違うの!?

今が旬の秋鮭。今年は海水温の高さからか、この時期に獲れる秋鮭の代表、「白鮭」が不漁続きという声が聞かれます。この「白鮭」に代わって、身の色が非常に美しいサーモンが店頭に大量に並ぶことが増えました。

鮭は英語で“salmon”ですが、店頭に並ぶサーモンと鮭は何が違うのでしょうか。船橋地方卸売市場の株式会社「山末」本部長、内海貴久さんに伺いました。

もとはサケ科の魚

店頭では鮭とサーモンはそれぞれ別物として扱われています。

「鮭は天然物なので、寄生虫などがいるおそれがあることから塩焼きやフライなど、加熱して食べます。一方、日本に入るサーモンは天然物もありますが、養殖物も豊富に入荷します。養殖物は寄生虫の心配がないので、刺身や寿司ネタなど生で食べることが多いですね。日本では加熱して食べるものを鮭、生で食べられるものをサーモンと区別している場合もあります。

しかし、もともとは同じサケ属の魚なので、学術上は同じ仲間ということになります」(内海さん)

サーモンもそれぞれ味や見た目が異なる

それでは鮭にも白鮭、銀鮭、紅鮭などがあるように、サーモンにも種類があるのでしょうか。

「日本には大体3種類、キングサーモン、アトランティックサーモン、トラウトサーモンが入荷してきます。このうち、トラウトサーモンはサーモンと名前がついてますが、実はニジマスです。それぞれ産地や味、見た目が異なります」(内海さん)

▼キングサーモン
アメリカ、カナダ、ニュージーランドからの輸入が多い。大ぶりで鮭の中で最も脂のノリがよい。身はやや赤めでつるっとした舌触り。サーモンステーキにすると豪快で美味

▼アトランティックサーモン
和名のタイセイヨウサケの名の通り、天然物は大西洋で獲れる。ノルウェーの養殖ものも多い。キングサーモンほどではないが、脂のノリがよく、身がしっかりしているので寿司ネタに向く

▼トラウトサーモン
ニジマスを海で養殖したものでチリからの輸入が多い。オレンジ色が鮮やかで、サーモンの中でも際立って美しいのが特徴。比較的あっさりした味わいで刺身やマリネに向く。以前は匂いのクセが強かったが、養殖技術の進歩でほぼ解消された


鮭とともに、すっかり食卓に定着したサーモン。今が旬の鮭もサーモンも個性に応じた食べ方でおいしくいただきましょう。

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