気象庁は11日、南米ペルー沖で海面水温の低い状態が続き、異常気象の原因となる「ラニーニャ現象」が今冬にかけて発生する可能性があるとの監視速報を発表した。先月発表の「ペルー沖の海面水温は、平常の状態が冬にかけて続く可能性が高い」との予想を修正した。
日本の冬はラニーニャ発生時、冬型の気圧配置が強まって東日本以西で気温が低くなる傾向があるとされる。先月発表の寒候期(12月~来年2月)予報では、東-西日本で平年並みの寒さと予想したが、気象庁は「発表当時と状況がやや変化した。影響を詳しく分析する」としている。
ラニーニャ現象は、太平洋赤道域を吹く東風(貿易風)が強まって暖かい海水を西に吹き寄せ、東側のペルー沖で海面水温が下がる。気象庁によると、太平洋赤道域西部で大気の対流活動が活発で、西-中部で平年より強い東風が吹いており、ラニーニャの状態に近づきつつあるとみられる。