今夜は皆既月食  ことしは好条件

きょう8日の夜は、皆既月食が起こる。皆既月食とは、月が地球の影にすっぽりと入り、月が欠けて見える現象で、晴れればほぼ全国的に同時に見ることができる。日本全国から見られるのは、2011年12月10日以来、およそ3年ぶり。
 注目の月食開始は午後6時15分頃からで、東の空の低い所にある月が上るとともに、欠けていくのが見られる。午後7時25分頃になると、月全体が地球の影に入り、皆既状態となる。その後、午後8時25分頃には再び、月が見え始めるため、皆既現象はおよそ1時間だ。月食は、太陽と地球、それに月が一直線に並ぶ時、つまり満月の時のみ起こるが、満月のたびに月食が起こるとは限らない。
 今回の皆既月食は夜の早い時間に起こるため、寝る間を惜しむことなく観測でき、好条件と言える。また、肉眼で見ることもでき、双眼鏡や望遠鏡を使用すれば、色の変化などを鮮明に楽しむことができそうだ。
 きょうは本州付近はすっぽりと高気圧に覆われるため、沖縄から東北にかけては秋晴れが続く。西日本の太平洋側では、夜遅くなるほど雲がかかりやすくなるが、皆既月食が起きる時間帯は晴れ間がある見込み。ただ、北海道では不安定な天気となるため、夜にかけて雲がとれにくく、月食の観測は雲の切れ間を狙うことになりそうだ。
 気温は午後6時から午後9時にかけては、東日本と西日本では20℃前後、東北では15℃前後、北海道では10℃前後の予想となっている。内陸部や山沿いではさらに冷え込むため、服装には注意が必要だ。
 なお、次に国内で見られる皆既月食は、来年2015年4月4日。
 (気象予報士・多胡 安那)

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