「今年の新入社員は実力主義より安定志向」。日本能率協会がまとめた2007年度の新入社員に対するアンケート調査「会社や社会に対する意識調査」で、こんな実態が明らかになった。
調査によると、「年功主義を好む」とした新入社員は49・1%を占めたのに対して、「実力主義を好む」と答えた社員は、48・3%だった。年功が実力を上回るのは2001年の調査開始以来、初めてという。同協会では「就職氷河期に苦しむ先輩や、リストラで苦しむ親の姿を見て、競争を避ける傾向にある」と分析している。
年功主義の比率は、03年が23・2%だったが、年々上昇し、今回調査では過去最高となった。逆に実力主義は03年に73・5%を占めたが、その後、下がり続け、年功主義と拮抗していた。景気回復に加え、団塊世代の大量退職に備え、企業が新規採用を拡大し、「買い手市場」から「売り手市場」に転換したことも、安定志向の原因となっているようだ。
一方、仕事と余暇(生活)のバランスに対する質問では、「仕事重視」と答えた比率が34・2%となり、「生活重視」の20・7%を上回った。ただ、就職氷河期だった2000年の新入社員は44・6%が仕事重視と回答しており、仕事よりも生活を重視する傾向も強まっている。
「理想の上司・先輩像」を複数回答で聞いたところ、「人間的に魅力ある」が63・0%でトップ。次いで「丁寧な指導をする」が50・6%だった。調査は新入社員702人を対象に実施。99・7%から回答を得た。
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