1年の世相を漢字で表すと、どのような1字になるのか。年末の恒例行事である財団法人日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」が12月12日、京都・清水寺で発表され、今年は「絆」が選ばれた。森清範貫主によって揮毫された書は清水寺に奉納。13日から31日まで一般公開される。
東日本大震災や原発事故に見舞われた2011年。どのような漢字が選ばれるのか注目が集まったが、公募により最も多い票を獲得したのが「絆」だ。震災により人と人、家族の絆を再確認しただけでなく、女子W杯を制し世界一に輝いたなでしこJAPANのチームワーク(絆)などの想いを込めた文字として、「絆」に多くの票が集まった。
参考までに、過去の「今年の漢字」にはどのような漢字が選ばれているのか、簡単に振り返っておこう。
◎過去の「今年の漢字」(漢検ホームページより)
1995年「震」(阪神・淡路大震災やオウム事件などに“震えた”年)
1996年「食」(O-157事件や税金と福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発)
1997年「倒」(山一證券などの大型倒産、強豪倒してサッカーW杯初出場)
1998年「毒」(和歌山カレー毒物混入事件や環境ホルモンなど“毒”が問題に)
1999年「末」(世紀末、「世も末」な事件の多発)
2000年「金」(シドニー五輪の金メダル、朝鮮半島の“金・金”首脳会談など)
2001年「戦」(米国同時多発テロの発生、世界的な不況との“戦い”)
2002年「帰」(北朝鮮から拉致被害者が帰国、リバイバルブームなど)
2003年「虎」(阪神優勝や「虎の尾をふむ」ようなイラク派遣問題など)
2004年「災」(台風や新潟中越地震、記録的な猛暑、凄惨な殺害事件の発生)
2005年「愛」(紀宮様ご成婚、愛・地球博の開催、各界のアイちゃん活躍)
2006年「命」(悠仁様のご誕生、いじめ自殺や飲酒事故など命の重み痛感)
2007年「偽」(食品偽装や政界・スポーツ選手まで“偽”が発覚)
2008年「変」(世界経済大変動、日米政治変化、生活環境の変化、気候変動など)
2009年「新」(新内閣発足、イチロー新記録、裁判員などの新制度、新型インフル)
2010年「暑」(夏の全国の平均気温が観測史上最高、チリ鉱山事故で暑い地中から生還)