電通総研は24日、その年の話題商品や注目商品を選ぶ「生活者が選ぶ2011年の話題注目商品ランキング」を発表した。3月に発生した東日本大震災の影響で、前年は比較的下位だっただった「節電」や「応援」に関する商品が、上位を席巻する結果となった。
アンドロイドとiPhone(アイフォーン)が話題を呼んだ「スマートフォン」が2年連続1位となったほかは、2位が「LED電球」(前年10位)、7位「ハイブリッドカー」(同16位)、9位「扇風機」(同対象外)と、節電関連商品が軒並み順位を上げた。
加えて3-5位には、「東京スカイツリー」(同7位)、「なでしこジャパン」(同対象外)、「AKB48」(同18位)など、日本に活力を与えた現象や人が連続ランクイン。節電関連商品や8位の「防災グッズ・備蓄食」(同対象外)と合わせトップ10のうち7つまでが“震災関連銘柄”となった。
電通総研の四元正弘ヒューマン・インサイト部長は、「震災を機に、自分が楽しむための『利己的消費』から、節電関連など、社会に貢献する『利他的消費』への変遷がみてとれる。たとえば節電への取り組みは個人的な負担も多いが、今までの消費生活に対する反省という側面もある」と分析する。
こうした傾向をふまえ、電通総研は、来年の消費の潮流となるキーワードを、「共創型生活者の時代」と定義。スマートフォンなど情報を発信するツールを手に入れた消費者が震災を経験したことで、「自ら進んで日本の未来像に関与していく当事者意識を強めている」と指摘。今後は消費者が一手間を加える余地のある商品やサービスなどが好まれると予想している。
■生活者が選ぶ2011年の話題注目商品ベスト10■
順位 商品名
(1)(1) スマートフォン
(2)(10) LED電球
(3)(7) 東京スカイツリー
(4)(-) なでしこジャパン
(5)(18) AKB48
(6)(-) 芦田愛菜
(7)(16) ハイブリッドカー
(8)(-) 防災グッズ・備蓄食
(9)(-) 扇風機
(10)(4) 地デジ対応大画面薄型テレビ
※電通総研調査、カッコ内は昨年順位、-は対象外