2010年の世界の年平均気温(1~11月、速報値)は平年を0・36度上回り、1891年(明治24年)以降、過去2番目に高い値に上る見込みになることが21日、気象庁のまとめで分かった。同庁は「昨年夏から今年春まで持続したエルニーニョ現象の影響」としている。
同庁気候情報課によると、日本の年平均気温(同)は平年を0・85度上回り、明治31年以降、4番目に高い値になる見込み。今夏(6~8月)の平均気温は過去最高だったが、4月に東京都心で雪が降るなど、春(3~5月)の平均気温が平年を下回った。
世界で平均気温が平年比で最も高かったのは、アーシアート(グリーンランド)の+5・2度。このほか、イスタンブール(トルコ)とヤクーツク(ロシア)が+2・1度、ニューヨーク(米国)が+1・9度-などとなっている。
また、海を除く陸地の平均気温でみると平年を0・68度上回り、過去最高に上る見込み。
北半球の平均気温が高くなった理由の1つとして、同課は「北極圏の海氷が溶け、太陽熱吸収や保温効果の高い海の面積が増加したため」とみる。
世界の年平均気温の変動を長期的にみると、100年あたり0・68度上昇。日本も同1・15度上昇しているという。同課は「温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響」としている。